奥のほそ道 /リチャード・フラナガン

今日は最近読んだ本の読書感想文と日記を書くぞ!

 

リチャード・フラナガン 『奥のほそ道』

ツイッター文学賞で見かけてタイトルと内容が気になったので図書館で借りた。ブッカー賞受賞作。140字に押し込められた紹介文から、勝手に戦メリの元になったローレンス・ヴァン・デル・ポストの『影の獄にて』に近い話なのかと思っていた。

まず辞書みたいに分厚くて、今度から本を借りるときはページ数ちゃんと見ようね……と思った(加賀乙彦の『宣告』も一緒に借りたから持ち帰る時腕折れるんじゃないかって感じした。アホの感想文。読むの臆するレベルの分厚さ。ハリーポッターより分厚い本は、買ったり借りる前に「ハリーポッターより分厚いですが大丈夫ですか?」って警告出して欲しい。あれなんですか………読書好きな人ってあんな分厚い本さらっと読めんの?読書もある種才能だよね……。ペアーズで読書好きみたいなコミュニティ入ってる人は楽勝の分厚さなんですかアレは)

でも読み切ったので、私、偉い。『影の獄にて』みたいな日本人と外国人捕虜の触れ合いを描いた作品では決してなかった。だけど日本人を断罪する物語でも決してない。WW2下オーストラリア人捕虜として泰緬鉄道建設に従事した主人公を通して当時の捕虜虐待をひたすら描く、という筋書きなら途中で脱落していたかも。そうした単純な筋書きに留まってないところが評価されている所以なんだろうな(よくわかんないですけど……)。

 

まず、時間軸。物語は主人公ドリゴの産まれてから死ぬまでの生涯を主に辿っている。勿論戦時中の描写にページの多くは割かれているけれども、印象的なのは寧ろ戦後の描写じゃないだろうか。戦中、兄貴と慕われながら、「スピードー」と呼ばれる理不尽な強制労働や不衛生な環境によって幾人もの同胞が死んでいくのを助けられず或いは切り捨て、数多の骸の上に彼の戦後ないし生は存在する。晩年手にした威光と本人の心中は乖離しており、まさに「漂泊の思い」の中で生きていると言ってもいい。

次に、人。描かれているのはドリゴ1人の人生ではない。日本兵・ナカムラやその下に付いていたオオトカゲとあだ名される朝鮮人軍曹がどう生きたのかにまで筆者の射程は及んでいる。(日本ブラッドバンクまで出てきたのは驚かされた)

 

ここまで多様な素材を扱っているからこそ鈍器みたいなページ数してるんだよねこの本……。中身、主題は戦争を体験した人々の生と死と言えるのかもしれない。じゃあ、それを包む風呂敷ってなんだろう、この本に通底する情感って何かしら……と考えた時、本のタイトルにもなっている『奥のほそ道』に代表される俳句の存在が効いてくる。

章ごとに句が割り振られ作中にもいくつか登場するが、松尾芭蕉の句は案外少なくて、小林一茶が多かったかな……?「俳句なんて高校生以来なんだけど!いや、中学?!国語の時間寝てたからな……これなんて読むんですか?!けんくわ?!あ、喧嘩ですか?!」位の知識しかないけど、一端の日本人だからこそ句と物語に通じる「無常」を嗅ぎとる事が出来たんじゃないか、これこそが作品の肝なのではと思った。

作品で用いられ印象的だった句がある。

(どちらも詠んだのは一茶だそうで……雀の子そこのけそこのけ〜以外知らなかったよねへへへ)

“露の世は露の世ながらさりながら”

“露の世は露の中にてけんくわ哉”

戦争という大きな時代の流れに翻弄され生きなければならなかった登場人物達の人生をページを捲って通り過ぎる時に漂う虚しさ・遣る瀬無さ。そこに上記の句が重ね合わさると相互作用と言うべきか、「無常」という概念が自然と心に浮かぶ。月日は百代の過客だけれども、一方、人の生はどうしてこうも露の様に儚いのか。

実際筆者はこの著書の趣旨について「憎しみを伝えることでなく、或る人間が別の人間より悪いということでもない」と語っているそうで、戦争だけに焦点を当てた作品でないのはこの言からも窺える。

海外の作家が日本人の謂わば加害の歴史を描いている事に、気構えて素通りしてしまうにはあまりに惜しい。歴史を知る事や他国から戦時中の日本が行ったことをどう捉えられているかを知る事自体重要だけど、それ以上に、この作品にある「無常」を最も理解出来るのは日本人だと思うから。

読んで良かった。

 

日記

先日数年ぶりとかにツイッターで繋がっている人とご飯食べたの楽しかった。ツイッターってほぼ毎日勝手に呟いてるのにコミュニケーションになるから良いな。昨日会いました位のテンションで話せる。凄い。ライン、お前はダメだ。既読通知をやめろ。ストレス。あとご飯美味しかった。

今日整体の先生に華奢になってきたよ!と言われて超嬉しかった。華奢になりたくてここ来たんですよ!とか騒いじゃった。行ってるのは肋骨整体です。整体ってバキボキやられると思ってたけど違うんだね……整体最高なのでここに良さを書き記したいね、次。

滅茶支離滅裂だな?!でも日記って支離滅裂なものじゃん。日常自体が支離滅裂だからね現在。

幸せかはわかんないけど生きてはいるので凄い。人生どうすれば良いのかはよくわからないで放置してるの良くないのはわかりつつ頭を抱えながら毎日杏仁豆腐食べてる。杏仁豆腐って何故あんなに美味しいのか。白くて可愛いし……。久しぶりに日記書いたんだけど口調が分からないまま書き終わるぞ。断定調で書いてたのかですます調だったのか。果たして……。